神戸市室内管弦楽団は神戸の宝
都市ブランドの構築は一朝一夕でできるものではありません。ステークホルダーを巻き込みながら、行政だけでなく、住民や企業が主体的に都市ブランドを育てる体制が大事です。神戸市という都市ブランドについて考えながら、「補助金打ち切りによる楽団解散やむなし」という状況ですが、神戸市室内管弦楽団について「何のために必要なのか」を問い直して、「なぜ存続させるのか」「どうやって存続させるのか」「誰が存続させるのか」を考え行動していく機会にしたいと思います。
私は、神戸市室内管弦楽団は『神戸の宝』だと思っています。
今までなぜ“宝の持ち腐れ”状態だったのでしょうか。もちろん私は“宝の持ち腐れ”だとは思っていません。それは音楽について素人の私でも、演奏を聴けばわかります。楽団員のレベルの高さと能力を発揮した演奏会は、聴き応えのあるものです。残念ながら神戸市室内管弦楽団を活かせていないのが、神戸市の現状なのです。
では、神戸市室内管弦楽団(以下、楽団)は神戸市にとって『無用の長物』なのでしょうか。
神戸市は1995年に発生した阪神淡路大震災で大きな被害を受け、悲しみの中にありました。そんな中、震災からの復興に寄り添ってきた楽団、コロナで音楽活動を抑制せざるを得なかった時にはSNSを通じて励ましてくれた楽団、神戸は常にこの楽団と共にありました。震災時に神戸は国内外の都市から、人々から多くの支援をいただきました。その御恩をお返しすることも国際都市神戸の大きな責務です。このような経緯を踏まえ、神戸市は、神戸のビジョンとして“海と山が育むグローバル貢献都市”の実現をめざしています。
音楽を通して生きる力、生きる希望を届けていく神戸市は、これからも国際都市神戸として都市ブランドを高めながらさらに世界に向けて多くの発信と貢献ができるのです。
また、神戸市民にとって楽団は『豚に真珠』『猫に小判』なのでしょうか。
それは市民にあまりに失礼な話しです。老若男女に必要な“心の栄養”になるのは、音楽をはじめとした芸術、文化といった目に見えない価値ではないでしょうか。神戸市の令和8年度予算では、若手演奏家やアーティスト支援の予算が確保されていますが、その若手演奏家になるまでに、これからも子どもたちへいろいろな種をまいておくことが特にこの文化事業では大切だと思っています。楽団が今まで取り組んできた、神戸市立小学校や特別支援学校へのアウトリーチ事業などは、今後も重要な施策だと思います。他にも新たな楽団の活用法もあるのではないでしょうか。
今、神戸の顔である三宮再整備事業が進んでおり、JR三ノ宮駅に直結した建物内に「新・神戸文化ホール」が、国際都市神戸にふさわしい芸術文化創造拠点の基幹ホールとして整備が進められています。愛称はネーミングライツ契約により「シスメックス神戸文化ホール」となります。
この『新・神戸文化ホール管理運営計画』には「ホールの中だけでなく、ホールの外まで踏み出して、優れた文化芸術作品や神戸文化を発信していく」とあります。また、「現・神戸文化ホールで培った神戸ならではの文化芸術作品創造への取組の継承、発展」とも記載されており、2年後の2028年に杮落としを迎える新・神戸文化ホールに魂を入れていくには、わがまち神戸の誇る楽団の活用なくしてはあり得ないと考えます。『新・神戸文化ホール整備基本計画』にある通り、楽団のレジデント機能を堅持していくことを前提に議論をしていかなくては、経済効率というものさしを当てて、楽団を切り捨てるのは本末転倒です。
神戸市に求めるのは、未来に禍根を残さないよう、選択を見誤らないようにしてほしいということです。
神戸市の今回の提案について、今後は文化スポーツ局を中心に神戸市民文化振興財団が一緒になって汗をかき、企業向け、市民向け外部助成金の獲得や広報宣伝の強化など、さらなる集客力アップ、楽団の知名度アップの目標を掲げて取り組んではどうでしょうか。市民によるワークショップを行うなど、楽団という宝をさらに浸透させていきましょう。
神戸の宝である楽団をもっと活かしていきましょう。
子どもたちや市民のみなさまへ、さらに、良質な音楽をお届けしましょう。
2月予算議会を終えるにあたり、私の今の想いを書き留めました。
最後までお読みくださって、ありがとうございます。

